はしか 感染 予防

はしか(麻疹)の感染を予防するには?

はしか(麻疹)の予防接種が重要である理由

 

はしか(麻疹)には特定の治療薬が存在しないため、はしか(麻疹)のワクチン予防接種をすることが感染を予防する極めて重要であるといえます。

 

子供たちへの予防接種を徹底する

日本では、はしかと風疹を同時に予防するための「MRワクチン」が、公費による「定期接種」として提供されており、就学前の幼児がこのワクチンを接種できます。

 

この「MRワクチン」は、1歳から2歳になる前に初回、そして5歳から7歳になる前の小学校入学前に2回目が接種されるよう定められています。

 

接種を公費で受けるためには、特定の期限が設けられており、▽第1回目は2歳の誕生日前日まで、▽第2回目は小学校入学前の3月末日までです。

 

厚生労働省の報告によると、2022年度のMRワクチンの接種率は、▽第1回目で95.4%と過去10年間で2番目に低く、▽第2回目では92.4%と最も低い数字を記録しました。

 

2007年には、ワクチンを未接種の乳幼児やワクチンを1回しか受けていない10代・20代の若者たちの間で感染が拡大した経験があります。このため、対象者になる方は、はしかのワクチン接種を怠らないようにすることが大切です。

 

はしか(麻疹)の感染の仕方

はしか(麻疹)はウイルスが原因の感染疾患であり、その感染能力は非常に高いことが知られています。感染すると、重篤な健康被害を引き起こしたり、最悪の場合は死亡に至ることもあるため注意が必要です。

 

はしか(麻疹)の感染の仕方は簡単に広がる

麻疹ウイルスは、感染した人が咳やくしゃみをした際に飛び散る微粒子を介して他の人に伝わります。これらの微粒子を通じての空気感染だけでなく、微粒子が付着した物を介しての接触感染もあり得ます。免疫がない人が感染者がいる環境にいると、高い確率で感染することが報告されています。

 

また、感染力の指標である基本再生産数が「12から18」と非常に高く、例えば新型コロナウイルスの「2から3」と比較しても、その感染力の強さがうかがえます。免疫を持たない人々がいる環境では、適切な感染対策がなければ、一人の患者から多数の人々へと病気が拡がるリスクがあります。

 

はしか(麻疹)の感染によって引き起こされる主要な症状

はしか(麻疹)の感染によって引き起こされる主要な症状には、高熱、咳、皮膚の発疹、目の赤みなどがあります。はしか(麻疹)の特徴的な症状としては、初期の高熱が一度下がった後、再び上昇し、40度近くに達し一週間程度続くことです。発疹は症状開始後数日経たないと現れないため、初期には、はしか(麻疹)であるかの判断が難しい場合があります。また、感染後には肺炎や脳炎などの合併症を引き起こし、症状を重篤化させることがあります。

 

はしか(麻疹)の感染によって引き起こされる深刻な合併症

特に、脳炎は約1000人に1人の割合で発生し、中には命を落とすケースも報告されています。アメリカの疾病対策センター(CDC)によると、はしか(麻疹)に感染した子ども1000人に対し、1人から3人が呼吸器や神経系の合併症で亡くなるとされています。

 

また、はしか(麻疹)感染後、5年程度経過すると、10万人に1人の割合で「亜急性硬化性全脳炎(SSPE)」という病気になるリスクがあります。SSPEは、はしか(麻疹)ウイルスが中枢神経系に長期間潜んだ後、発症する病気です。この状態になると、日常生活に支障をきたしたり、突然の異常行動が見られたりし、最終的には死に至ることもあります。

 

国立感染症研究所によれば、2歳未満に麻疹に感染した子どもが、4年から8年の潜伏期間を経て6歳から10歳でSSPEを発症するケースが多いですが、成人で発症することもあります。

 

はしか(麻疹)は深刻な合併症を引き起こす可能性があり、特に脳炎は命を脅かすことがあります。初期症状が見られる段階での反応が鈍く、意識がもうろうとすることがある。有効な特効薬がなく、重篤な病気であるという認識が重要です。また、感染が疑われる場合には、速やかに医療機関への相談と受診を勧めています。

 

 

はしかのワクチン予防接種による副反応

はしかのワクチン予防接種には副反応が伴う場合があり、国立感染症研究所のデータによると、第1回目の接種後には約20%から30%の人が発熱し、約10%の人が発疹を示すことがあります。

 

また、非常に稀な副反応として、100万回から150万回の接種につき1件程度の脳炎や脳症の報告がありますが、これははしかに感染するリスクと比べてはるかに低いとされています。

 

はしかのワクチン予防接種による副反応の多くは「接種後約7日で副反応が現れることが多く、発熱が見られても1日か2日で治まることが多いので、過度に心配する必要はないとされています。第2回目の接種では副反応はほとんど報告されていないようです。」

 

 

ワクチン2回接種の完了が必要な理由

 

ワクチン未接種のリスク

年齢を問わず、はしかに感染していない、またはワクチンを一度も、または一度しか接種していない人は、感染すると重大な健康リスクに直面する可能性があるため、専門家からは特に注意を喚起されています。

 

日本プライマリ・ケア連合学会感染症委員会ワクチンチームによると、1972年9月30日以前に生まれた50歳以上の人々は、ワクチンの定期接種制度がまだ始まっていなかった時期のため、ワクチンを受けていない可能性が高いです。

 

また、2000年4月1日以前に生まれた20代半ば以上の人々は、定期接種が1回しか行われていなかったため、十分な免疫が得られていない可能性があります。

 

ただし、定期接種開始前の世代の中には、幼少期に感染し免疫を獲得している人も多くいます。しかし、感染の記録がない人は、抗体検査やワクチン接種を考慮することが推奨されています。

 

接種歴の確認をすることの重要性

自身のワクチン接種歴を母子手帳などで確認したり、抗体検査を受けて免疫状態を確認することが重要です。特に、子どもと接する機会が多い職業の人や、長期間海外に出張する人は注意が必要です。

 

妊娠を計画する女性への警告

妊娠中の女性がはしかに感染すると、合併症や流産、早産のリスクが高まるため、特に注意が必要です。ワクチンは生ワクチンであり、妊娠中の接種は推奨されていません。そのため、妊娠を望む女性は、事前にワクチン接種を受けることが勧められています。

 

 

厚生労働省からのワクチン接種の勧め

 

厚生労働省は、個人が自分自身で母子手帳等を用いて、はしかの予防接種を2回受けたかどうかを確認し、もし未接種である場合や不足している場合は、予防接種を受けることを検討するよう強く推奨しています。

 

はしかはその感染力が極めて強い病気であるため、発熱や咳、目の充血、皮膚の発疹など、はしかの可能性がある症状が現れた際には、公共交通機関の使用を避け、予め医療機関へ連絡を取り、その指示に従うように呼びかけています。

 

さらに、海外からの帰国後2週間は、はしかの発症がある可能性を考慮して、健康管理に特に注意を払うようにとの指示もあります。

 

「はしか」とは…どんな病気?!

 

「はしか」とは…どんな病気?!

はしかは、ウイルス性の感染症で、患者がせきやくしゃみをすることで放出された粒子にウイルスが含まれていて、それを吸い込むことで感染します。

 

はしかの感染力は?

空気感染のほか、飛まつや接触を通じて広がることもあり、感染力は極めて強く、免疫がない場合、感染者と同じ室内にいただけでほぼ確実に感染するとされています。

 

はしかはどんな症状が現れる?

厚生労働省によりますと、はしかに感染すると、およそ10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れ、2、3日熱が続いた後、39℃以上の高熱と発疹が現れるということです。

 

発疹は、症状が出始めてから数日たたないと出ないため、最初のうちは、はしかと判断しにくいこともあるということです。

 

はしかに感染すると亡くなるケースもある

さらに、感染による合併症として肺炎や脳炎が引き起こされて重症化することもあり、特に脳炎についてはおよそ1000人に1人の割合で起き、中には亡くなるケースもあります。

 

アメリカのCDC=疾病対策センターによりますと、はしかに感染した子ども1000人中、1人から3人は呼吸器や神経系の合併症で亡くなるとしています。

 

はしかに特効薬はないワクチン接種がきわめて重要!

はしかの特効薬はなく、症状に応じた治療をするしかないため、専門家はワクチンなどで感染を防ぐことが重要だとしています。

 

2007年には、日本国内でワクチンを接種していない0歳から1歳の子どものほか、1回しか接種していない10代や20代を中心に感染が広がりました。

 

また、中高年でも感染を経験しておらず、ワクチンを接種していないか、1回しか接種していない人では、感染した場合は命にかかわることもあるとして、専門家は注意を呼びかけています。

 

感染が疑われる場合は、直接医療機関を訪れると、感染を広げてしまうおそれがあるため、あらかじめ連絡したうえで受診してほしいと呼びかけています。