シェーグレン症候群 診断基準

シェーグレン症候群とは

シェーグレン症候群とは、1933年にスウェーデンの眼科医ヘンリック・シェーグレンが発表した論文にちなんでその名前がつけられた疾患です。

 

日本では1977年の厚生省研究班の研究によって医師の間に広く認識されるようになりました。

 

シェーグレン症候群は、40代以降の中年女性に多く涙や唾液を分泌する外分泌腺が破壊され、目の乾燥(ドライアイ)や口が渇く(ドライマウス)が起こる自己免疫の特定疾患のひとつです。

 

シェーグレン症候群の症状から視覚障害や感染症を引き起こす事があり一次性シェーグレン症候群となります。

 

シェーグレン症候群は膠原病(関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、皮膚筋炎、混合性結合組織病)に合併することもあり二次性シェーグレン症候群といいます。

 

シェーグレン症候群の診断基準

シェーグレン症候群の厚生省の診断基準

(1)口唇小唾液腺の生検組織でリンパ球浸潤がある
(2)唾液分泌量の低下がガムテスト、サクソンテスト、唾液腺造影、シンチグラフィーなどで証明される
(3)涙の分泌低下がシャーマーテスト、ローズベンガル試験、蛍光色素試験などで証明される
(4)抗SS‐A抗体か抗SS‐B抗体が陽性である

 

この4項目の中で2項目以上が陽性であればシェーグレン症候群と診断されます。

 

シェーグレン症候群の症状

シェーグレン症候群の主な症状は、目の乾燥(ドライアイ)、口の乾燥(ドライマウス)、鼻腔の乾燥などです。

 

1 目の乾燥(ドライアイ)

・涙が出ない特に悲しい時でも涙が出ない
・目がころころして目がかゆいまたは目が痛い
・目が疲れやすく物がよくみえない
・目やにがたまるなど。


2 口の乾燥(ドライマウス)

・口がすぐ渇き唾液が出ない
・口が渇いて日常会話が続けられない
・摂食時によく水を飲むが味がよくわからない
・外出時水筒を持ち歩いたり夜間に飲水のために起きる
・口内が痛む時が多く虫歯が多くなったなど。


3 鼻腔の乾燥

・鼻が渇き鼻の中にかさぶたが出来る
・鼻出血があるなど。


4 シェーグレン症候群のその他の症状

・唾液腺に腫れと痛みを感じる
・息切れや発熱がよく出る
・関節痛がひどくなる
・肌荒れや紫斑が出て皮膚に発疹が多くなる
・レイノー現象・アレルギー・夜間の頻尿・毛が抜ける
・日光過敏・膣乾燥(性交不快感)など。


・全身症状として疲労感・倦怠感・記憶力低下・頭痛は特に多い症状で、めまい・集中力の低下・気分が移りやすい・うつ傾向などもよくあります。

 

シェーグレン症候群の治療

シェーグレン症候群の治療は、現状では根本的に治癒させることは出来ません。

 

したがってシェーグレン症候群の治療は乾燥症状を軽快させることと疾患の活動性を抑えて進展を防ぐことにあります。

 

目の乾燥、口の乾燥はひどくなると一般生活の障害となりますで、毎日の点眼、口腔内の清潔を心がける必要があります。

 

エアコン、飛行機の中、風の強い所、タバコの煙などに注意が要ります。

 

皮膚の乾燥に対しては、頻繁にお風呂に入り石鹸を使用すること、ただし熱い湯に入ることは良くありません。

 

膣の乾燥については、性交時に不快感がある方は、エストロジェンの内服やエストロジェン入りのクリームなどを使用することが必要となりますので、産婦人科を受診するのが良いでしょう。

 

シェーグレン症候群の治療では、規則正しい生活、休養、バランスのとれた食事、適度の運動、ストレスを取り除く等の注意が必要です。