顎関節症の治療法
顎関節症(がくかんせつしょう)は最近、若い女性を中心に増えています。
「あっ!顎が痛い、あごが鳴る、口が開かない」と感じたら顎関節症になっている可能性があります。
顎関節症の症状や治療法を知っておきましょう。
顎関節症とは
顎関節症(がくかんせつしょう)とは、顎関節に発生する、開口時の疼痛 、開口時のクリック音や捻髪音といわれる関節雑音、開口制限を特徴とする症候群のことです。
あごの関節(顎関節)周辺に何らかの異常があり「あごが痛い」「あごが鳴る」「口が開けづらい」などが主な症状です。
顎関節症の治療法
顎関節症の治療は歯科や口腔外科が専門で取り扱っています。
顎関節症の治療は原因や誘因を取り除く治療方法が主となります。
顎の安静や咬み合わせの異常を整えて修復するというような様々な治療法があります。
顎関節症の治療では外科的な治療を行うことは少なく、原因となる噛み合せを調整するためにスプリント(マウスピース)を使用した歯列の矯正を行う場合もあります。
顎の筋肉の緊張を緩和させるために肩こり用の筋弛緩剤などの医薬品を用いたりします。
顎関節症の原因となる悪習慣には本人も気付いていない癖などがありその癖を取り除くことも顎関節症の治療方法のひとつです。
顎関節症の痛みを軽減するために患部をホットパックやシップなどで温めたり冷やしたり、開口制限がある時は顎を動かす開口運動をして口がよく開くようにします。
顎関節症をマッサージで改善してくれる整体院もあるようです。
一部の歯科や病院では設備機器などの不備で診療できない場合があり、大学病院などへ転院させることもあるので、受診の際には事前に確認しておく方がよいと思います。
顎関節症の症状
顎関節症の症状には代表的な例が5つあります。
顎関節症の症状は単独で出る場合と複数でも出る場合があります。
顎が痛む(開口時の疼痛)
口を開け閉めするときや食べ物を噛むときなど、顎関節や周辺の頬やこめかみなどに痛みがでます。
あごを動かした時に痛むのが特徴です。
あごの動きに関係なく痛みが出る場合は他の病気の可能性が高いようです。
口が大きく開けられない(開口制限)
正常な人はたてに指が3本分位入りますが、指が2本位もしくはそれ以下しか入らない症状がでます。
あごを動かすと痛みが出るので無意識のうちに顎関節の動きを抑えてしまっている場合と、顎関節の異常で口が大きく開けられない場合とがあります。
急に口が開かなくなる場合もありますが少しずつ開きづらくなっていく場合もあります。
顎を動かすと音が鳴る(関節雑音)
あごを動かしたときに耳の前あたりで「カクカク」「カリカリ」といったマウスをクリックした時のような音が鳴る。
「ジャリジャリ」「ミシミシ」といった髪の毛を捻った時にでるような音が鳴る場合もあります。
音が鳴りだした場合は顎関節症の初期症状といえます。
噛み合わせに違和感がある
顎関節や筋肉に異常があると、あごの動きに変化がみられて噛み合わせが変わることがあります。
急に噛み合せが変わったように感じるときは顎関節症の疑いがあります。
口を完全に閉じることができない
とてもレアなケースで顎関節内の構造の異常のため上下の歯列の間に隙間ができて、口が完全に閉じられなくなる場合があります。
若い女性に多い顎関節症
顎関節症にかかる人は10年前に比べると15倍に増えているといわれています。
小さな子供から年配の人まで広範囲の人に顎関節症は発症しますが、特に女性は10代半ばから増え始め20~30代の人が顎関節症を発症する人が増加しています。
女性に多い顎関節症は年齢的に10代半ば頃から増加するのは歯や骨格が成長し大人になる時期であることや思春期であるこの時期は精神的にも学校の勉強や友達や異性との関係など生活も複雑になることや女性の方が痛みや健康にたいする関心が高く筋肉の緊張やストレスに対して敏感であることや男性に較べると骨格や靱帯がひ弱であることや女性ホルモンに関係があるなどの理由が考えられます。
また、最近の若い人たちに多い食習慣や生活習慣などにも関連がありそうですが、なぜ顎関節症にかかる女性が多いのかは詳しくはわかっていません。
また30代を過ぎた人が顎関節症にかかる例が減少するのは顎関節の変形は認められても顎関節の異常に慣れてしまい顎関節症の症状に気が付かなくなるためといわれています。